【7日間ブックカバーチャレンジ #5】

山で出会った子ぎつねに指を青く染めてもらい、窓をつくってのぞくとそこに。。。というお話。

安房直子さんは、やなせたかしさんの「詩とメルヘン」に何度も登場した。作品には幻想的な世界や懐かしい日本の慣習、町のいろんなお店など、沢山の風景がつまっていて死の影が漂うものも多い。はかなすぎる「さんしょっ子」の絵本は友だちのお嬢さんに差し上げた。

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【7日間ブックカバーチャレンジ #4】

シンデレラを芝居仕立てにした作品で、キャラの濃い人物が次から次へと登場する。明け方、主人公エマはベッドで寝ている。雄鶏の鳴き声を聞くまいと、うすくて短い毛布を耳まで引き上げると、小さなかわいい足がのぞく。書き出しはまるで映画のよう。

エマは魔法で「ダレシラヌ国」の王女に変身し、舞踏会に出席する。講談社版では原書の「Nowhere」に石井桃子さんのこの美しい訳が使われていた。

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【7日間ブックカバーチャレンジ #3】

橋の下で暮らすアルマンじいさんが宿なしの3人の子どもたちと出会い、次第に家族になっていくお話。読んだのはたぶん弘田令子さんの訳。

パリの町の雰囲気、中央市場、親切なジプシーたちが住む素敵な車の家やクリスマスの様子が生き生きと描かれる。悪知恵や偏見、見当ちがいの善意や妥協もしっかり書いてある。

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【7日間ブックカバーチャレンジ #2】

得意分野というと、どうしても童話や絵本になる。

日本では半世紀を越えるロングセラーで去年は映画にもなった。翻訳は『小さなスプーンおばさん』や『長くつ下のピッピ』を訳した大塚勇三さん。

小さいといっても魔女は127歳。カラスのアブラクサスに小言を言われながら毎日「いい魔女」になるために魔法のけいこをしている。

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【7日間ブックカバーチャレンジ #1】

姪1号よりバトンが回ってきて、本日、7冊目をFacebookに投稿し終えた。

まず1冊目として2年前に1号の2歳の子にあげた絵本をアップ。もうすぐ2歳の3号の子にもプレゼントする予定。

何匹かの動物のうち、イチゴやドーナツをたべたのだれかな?と、絵でわかるこの本は、おしゃべりをはじめた子どもにぴったり。

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贈り物の種

清水博先生のお話を聞くたびに、いつも、東本願寺の二枚の看板を思い出していた。2012年3月、当時82歳だった父が心臓弁膜症の手術を受ける日の朝のこと、看板に書かれた言葉に、はっとした。

「バラバラでいっしょ」

別々でも同じ人間、それとも、互いが別々の個を保ちながらひとつに融け合うイメージ。 続きを読む

無知の「知」と自分の意見

戦後70年の8月、憲法について意見を求められ「わかりません」と答えた。改憲についての議論を多少は耳にしていたし、今の平和が9条のおかげではないことも知っていた。ただ、あまりにも無知で、「改憲」とも「護憲」とも口にできなかった。

SNSでも世間のいろいろなことに対して思い思いに自論を展開する人がいる。具体的な背景は知らないが、それぞれに理由があるのだろう。 続きを読む

驚いた話

スーパーシニアのご活躍は、私にとって身近なものだ。
場の研究所所長・清水博先生は、この11月で87歳。居場所と〈いのち〉の問題について、精力的に発信し続けておられる。
5月にお目にかかった微生物の専門家・平井孝志先生は89歳の父と「同年兵」。
10月にお目にかかった中国問題の大家・伊原吉之助先生も同じく卒寿。
明晰さには憧れるばかりだが、なぜこれほどまでにアクティブなのか。

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呪いと祈り

昨日は上野の東京国立博物館で「マジカル・アジア――博物館でアジアの旅」を見てきた。昨秋、「木々との対話──再生をめぐる5つの風景」東京都美術館のガイドツアーがよかったので、今回は「呪いのパワーを探す旅」というツアーに参加したら、ネーミングのせいか大盛況で、ゆっくり見て回るのはツアー終了後になった。
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