パルシネマしんこうえんにて見逃していた「恐竜が教えてれたこと」を見る。原作はオランダの児童文学。可愛らしいチラシやタイトルとはちがって大人向きの映画だった。映像はシンプルでサルサなど音楽もかなりおしゃれ。
主人公のサムは死と孤独に思いを巡らす11歳。ちょっと「マイライフ・アズ・ア・ドッグ」を思い出す。夏休みに家族で訪れた島で、風変わりな女の子テスに出会う。この展開は「ギルバート・グレイプ」。ふたりは自転車で走るだけでもいろんな表情を見せる。台詞も面白い。
シングルの母親と2人暮らしのテス。死んだと聞かされた父親が生きていると突き止め、一計を案じて島に呼ぶ。初めて会う父親に大切な告白をしようとした矢先、その場から逃げ出してしまう。男に知らせずに産む権利を主張する女性は、生まれた子どもの感情や状況まで考えているかなと、ふと思う。ここでサムがある行動に出る。草むらを走る男の子をただ映すだけの映像が泣かせる。
私好みの変なおじさんも出てきてラストには素敵なサルサが流れる。鱈のフライ(キブリング?)など食べ物も美味しそうだった。
併映は2度目の「グランドジャーニー」。野生のガンに渡りの道を教えるために一緒に飛ぶ物語。ニルス少年ははじめリーゼントでキメていたのに、鳥の世話や飛行で髪型は無造作に表情は精悍になっていく。前半に出てくる湿地地帯の町長の着信音が「ガァガァ」という鳥の鳴き声だったのが地味にツボだった。
映画は二度観ると面白い。2本とも湿地や干潟や空、水の映像の美しさに心が洗われる。