【7日間ブックカバーチャレンジ #4】

シンデレラを芝居仕立てにした作品で、キャラの濃い人物が次から次へと登場する。明け方、主人公エマはベッドで寝ている。雄鶏の鳴き声を聞くまいと、うすくて短い毛布を耳まで引き上げると、小さなかわいい足がのぞく。書き出しはまるで映画のよう。

エマは魔法で「ダレシラヌ国」の王女に変身し、舞踏会に出席する。講談社版では原書の「Nowhere」に石井桃子さんのこの美しい訳が使われていた。

その後の岩波版で「ドコニモナイ国」に変わったのを読み、愕然とした。子どもたちのためにも作品のためにも何とか直してくれないものか。夢もリズムも詩も失われて、誰の得にもならない改悪なのに。

このお話では、馬蹄型が幸運の印ということ、ミソサザイ、トライフルケーキを覚えた。