「リベラル」と「ネトウヨ」(1)

若い頃から自分でも呆れるほど世情に疎い。「物知らず選手権」があれば上位入賞は確実。コンプレックスの第一は「新聞が読めない」ことだった。

膨大な文字量によくわからない固有名詞。理解できないので読み進められない。ひそかに恥じていたら、何十年も経って、多くの人が案外「見出しだけ飛ばし読み」なのを知った。

その私が今になって政治や歴史を知る必要を痛感している。編集していた本の関係で戦後史を少し調べた一年前、ある人に「自分はリベラルだ」と言われ、今年の春には別の人にFacebookでからまれて以後、突如猛烈な読書とYouTube、Twitterのフォローを始めたのだ。

「リベラル」とはどういう意味だろう?

ずいぶん前にテレビでアメリカ人が「Lワードばかりでうんざり」と言っていたのがどうも「リベラル」のことらしかった。ネガティブな意味なのだろうか。

手始めにタイトルに「リベラル」のつく本*1を読み、本来の「リベラリズム」が「多様性を擁護し、個人の自由を尊重しつつ弱者の声を政治に反映させていく」考え方だとわかった。さらにいろいろ調べると、日本の「リベラル」にはさしあたって次のような特徴があることがわかった。

 

1.共産党に代表されるサヨク的思考

2.反米・親中・親韓

3.現政権打倒には手段を選ばない

4.事実・現実を必ずしも重視しない

5.平和より平和主義・平和憲法を重視

6.自分と意見が異なる相手への不寛容

 

 

語感に反して「リベラル」は、あまり評判がよくないようである。

 

1.共産党に代表されるサヨク的思考

「サヨク」を避けて「リベラル」を自称し、時に保守を自認する。本来のリベラリズムとは異なり、多様な意見に耳を貸さないのは野党議員によくみられる態度だ。かつて知っていたインテリ左翼らしき人物がとても冷静・公平だったので、区別して「サヨク」としたいが、度が過ぎると「パヨク」という蔑称で呼ばれる。

 

2.反米・親中・親韓

戦後のGHQの占領政策に反発して脱・日米同盟を主張。そのくせGHQが作った憲法の改正に反対。朝日新聞同様中国と韓国に甘く、インテリでも単なる事実の指摘を「ヘイト」と受け取る人がいる。

 

3.現政権打倒には手段を選ばない

基本的に「反安倍」を正義とする。ねつ造されたモリカケ問題を執拗に追求し、法律の制定や改正についての虚偽の情報をメディアや時には法律の専門家が流す。あからさまにプロパガンダを拡散する言論人もいて社会を混乱させる。

 

4.事実・現実を必ずしも重視しない

「反安倍」論者の情報はすべて正しいため根拠には関心がない。朝日新聞が報道の誤りを認めた慰安婦問題を執拗に批判。国際的には「正当ではなかった」とされている東京裁判史観を継承して日本を侵略国家と主張し続け、教科書に自虐史観的記述を記載したがる。弱者を擁護する主張の中にも明らかな嘘がある。

 

5.平和より平和主義・平和憲法を重視

平和を守るための必須条件である国防と、敵対行為で挑発する隣国の脅威にはノーコメント。「平和憲法第9条」断固護持のため憲法改正に反対。平和を旗印に各地で暴力的活動を行う勢力がある。

 

6.自分と意見が異なる相手への不寛容

安倍批判をしないととすぐ「親安倍」のレッテルを貼る。中国や韓国への厳しい意見をのべる人には、それが事実であっても「特定の集団や個人をおとしめ、憎悪や怒りを生ませる言葉」*2を容赦なく投げつけ、対話ができない。

 

 

なるほどずいぶん「自由」な人たちである。朝日新聞に当てはまる点が多々あるところを見ると、朝日新聞に毒された考え方なのだろうか。

新聞が苦手だった私は、変な情報に無縁でかえってラッキーだったのかもしれない。

 

 

*1 岩田温(あつし)氏『「リベラル」という病』、石平・有本香両氏の『リベラルの中国認識が国を滅ぼす』

*2 ヘイトスピーチの定義