「リベラル」と「ネトウヨ」(2)

春先にFacebookでコロナ関連の中国情報をシェアしたら、引用先が保守系YouTube番組だったせいで、ある人に即刻「ネトウヨ」認定を受けた。

情報発信者が「新しい歴史教科書をつくる会」の理事であると知るや、「『つくる会』は嫌中・嫌韓を煽っている」ためその情報は「デマ」だとして、公然と「デマを信じるバカ」扱いされ、唖然とした。

自分の無知は認めるが、定評ある中国ウォッチャーの情報をデマ呼ばわりするにはおかしな理由だ。ただの偏見と思いながら、その人の攻撃スタイルが某国に似ていたことがあとになってわかった。*1

その直後、自称「リベラル」からPCR検査推進派の医師の動画が送られてきた。医学的な誤りもあり、「評判のよくない人では?」と返信。それに添付した参考記事が保守系の人気YouTube番組・虎ノ門ニュースだったらしく、「安倍擁護のネトウヨ番組が好きなんて信じられない!」と、見てもいない番組のファンと目され怒られたのには驚いた。「リベラル」とは、そそっかしい人たちなのだろうか。

 

他人の自由な情報収集に腹が立つとは不思議な神経だ。昔働いていた大阪の小さな新聞社の社長は、朝日新聞を「町内会の会報と一緒や」とけなしつつも購読し、他に赤旗や祝詞まで読んでいた。批判するためには対象を知る必要がある。物事を多面的に見て事実を知ろうとすれば広く情報を集めるのは当然のことだ。知らずに適当なことを言うのはただの無責任だからである。

 

「ネトウヨ」はネット右翼の略で「パヨク」と対になる蔑称。「リベラル」の天敵だ。右翼の街宣車なら私も嫌いだし、強烈なヘイト発言もよくないだろう。しかし保守派と言われる人たちの何がそんなに気に入らないのか。

YouTubeのみやわきチャンネル(仮)ではよく画面左側を「こんな人たち」と指し示して、「自称リベラル・我こそは保守」と書いたカコミを表示させる。中身は「リベラル」で有名な野党議員などの愛称と、お馬鹿さんを意味する「デュープス」。

宮脇睦(あつし)氏によると、「ネトウヨ」とは、「こんな人たち」から見える「自分たち以外の世界」だという。結局、「リベラル」にとっては、自分たちと意見がちがう人はすべて「ネトウヨ」らしい。

その定義に従うと「ネトウヨ」の特徴は下記となる。

 

1.共産主義に反対する保守的思考

2.反米ではなく親中・親韓でもない

3.現政権を批判するがフェイクニュースで追いつめることには反対

4.現実を見て、事実に基づいて意見をのべる

5.平和主義でなく平和を重視するため憲法改正を希望

6.自分と意見が異なる相手の意見に耳を傾ける姿勢がある

 

 

「リベラル」の言い分としては、「ネトウヨ」が憲法改正を目ざす安倍政権に親和的なことから、戦争賛成→大日本帝国回帰となるらしい。「リベラル」を標ぼうするジャーナルは常にその論調だが、因果関係がわからない。文章は煽情的で根拠に乏しい。愛読する理由はただ一点、「反安倍」だからであろうか。

妙な色のつかないYouTubeの番組はいくらでもあり、最近は主に3つの番組を見ている。*2 どの人も背景知識が豊富で、根拠を示して極論を避ける姿勢に好感がもてる。何より、ことの経緯の解説があるので、無知なる身にはありがたい。

 

事実に基づいて言論活動を行う正統派保守の論客は、しばしば「リベラル」の論客に公開討論を申し込んで、ことごとく拒否されている。堂々とやり合う度胸がない時点で「リベラル」の旗色は悪い。「リベラル」も「ネトウヨ」も、感情論でなくきちんと事実を間に置いて話をすべきかと思うが、その事実に大きな食い違いがあることがネックになっている。

 

 

*1 宮脇睦(あつし)氏・みやわきチャンネル(仮)によると、「強い言葉で威圧、周囲を巻きこむ、論点ずらし」は韓国の交渉術とのこと。わざわざコメント欄で因縁をふっかけ、日の丸や旭日旗が腹立たしいなど見当ちがいのことを書いてきたのは、これに当てはまる。

*2 岩田温(あつし)の注目ニュース、さささのささやん、みやわきチャンネル(仮)。岩田氏は自分を「保守・極右」、ささやんは「左旋回系」とし、宮脇氏はnot「リベラル」と思われる。

→ 宮脇氏のスタンスに好感を覚えつつも、紹介されたある本を読んで若干違和感を感じて以来、あまり視聴しなくなった。陰謀論を揶揄するたぐいのもので、文献と著者の立場が偏っており、有益と感じなかったため。現在は、くつざわ亮治氏を視ている(2020.9月)。