行き先もとくに決めず、希望だけもって、舟を出した。
一寸法師でさえ、お椀の舟に箸の櫂なのに、流れにまかせた笹の舟。
くるくるまわりながら流されて、それでも不思議とひっくり返る気配もなく、
それなりに水の上を漂っている。
何しろ水の中には、みえないたくさんの手があって
ピンチのたびに、ちょいちょいっと支えてくれるのだ。
そんないろんな手助けのもと、音緒のサイトが少しずつ形になっている。
面白くて素敵だから、文字に残さなければならないと思うことを、
こつこつと記していきたい。
今日会った人が言った。
――目にみえないものの存在に気がつくと、みえているのと同じだけの可能性
をもつ世界がもうひとつ現れる。
彼は農業青年。
みえない世界を信じれば、櫂すらもたない笹舟も、
すいすい進める気がしている。