〇「何でも診る科」の漢方医
私は内科医師として研修を開始したが、5年目から漢方に出会い、その後は内科とともに漢方医としても歩んできた。東洋医学は伝承医学で、約2000年前に成立した古典を、金科玉条のごとくバイブルにしながら現在も使用している。その時代の医学に各科目の分類などはなく、あらゆる科を乗り越えて書かれているため、漢方医は自然に「何でも診る科」を修業してしまうことになる。特に私が漢方を勉強しはじめた30年前にはそんな雰囲気が色濃くあった。
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投稿者: 日笠久美
河崎医院附属淡路東洋医学研究所所長(http://www.kawasaki-iin.net/)。兵庫医科大学卒業。漢方歴30年を超え、地域のプライマリケアの第一線で、幅広く診療に携わる。
兵庫医科大学第一内科、兵庫県立尼崎病院東洋医学科、西武庫病院内科部長を経て現在に至る。日本東洋医学会指導医。日本内科学会認定医 医学博士。著書に『漢方外来―漢方から診るからだと病気』(プリメド社)。