「科」を超える東洋医学、繋がる医療の輪

〇「何でも診る科」の漢方医
私は内科医師として研修を開始したが、5年目から漢方に出会い、その後は内科とともに漢方医としても歩んできた。東洋医学は伝承医学で、約2000年前に成立した古典を、金科玉条のごとくバイブルにしながら現在も使用している。その時代の医学に各科目の分類などはなく、あらゆる科を乗り越えて書かれているため、漢方医は自然に「何でも診る科」を修業してしまうことになる。特に私が漢方を勉強しはじめた30年前にはそんな雰囲気が色濃くあった。
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