アイマスク体験

A4の白い紙の中心に、小さな丸を書く。続いてその丸を、少し大きな丸で囲み、その作業をさらに何度か繰り返す。

誰にでもできそうなこんな単純な作業が、視覚を遮断した状態で行うと、一瞬にして誰にもできない作業に変わる。サインガイドという枠を使っても、満足に文字を書くのは難しい。「偏軌」といって、通常はどちらかに偏ってしまう。注意して紙をまっすぐにしておかないと、斜めに書いてしまったりもする。
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言語教育に取り組む現場実践報告を聴いて――獨協大学外国語教育研究所第3回シンポジウムから(2)

松田雪絵氏(埼玉県立伊奈学園総合高等学校)の報告

1.多文化言語共存社会で生きる人材を育てる

伊奈学園総合高等学校というユニークな言語教育に取り組む学校があることを初めて知った。同校は、1984年に併設型の中高一貫校として創設され、普通科でありながら「学系」という独自の分類による人文、理数、語学、生活科学、スポーツ科学、芸術、情報経営の7科を設け、興味や適性に合わせて時間割を組むことができる。
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言語教育に取り組む現場実践報告を聴いて――獨協大学外国語教育研究所第3回シンポジウムから(1)

日本には真のエリートを育てる教育がないといわれる。随分昔、雨後の竹の子のように看護大学が乱立した際も、「教養」の定義について教員間で意見がまとまらず、多くは技能偏重から知識偏重に移行したのみに終わった。

それほど教育者の意識が低い。現場との乖離が、さまざまな教育において制度的に横行していることが多すぎる。
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『摂食障害――見る読むクリニック』の出版トークイベント2―質問に答えて

出版トークイベントの後半は、フロアからの質問に著者が答える形で、摂食障害への理解をより深める時間となった。

質問者1:拒食症で体重が低下しています。縛ってでも(栄養を投与して)体重を増やすべきですか。
鈴木:成長期であれば経管栄養もしますが、20歳過ぎた人ではむずかしいでしょう。ことと次第によりますが、意識がなくなって管を抜くとあぶないので、抑制が必要な場合もないとはいえません。 続きを読む

「ADDICTION(アディクション)~今日一日を生きる君~」を観て

7月27日、どうしても観たい芝居があって、夕方、代々木上原のIto・M・Studioへと出かけた。駅から坂を上って行くこのスタジオは、演劇研究所を主宰していた故伊藤正次さんの教え子たちが今も表現活動を行う場所だ。前からこの人のことは知っていたが、シュタイナー展で偶然その名を目にして調べたら、内谷正文(うちやまさぶみ)さんのひとり芝居の情報がヒットした。薬物依存症について、個人的体験にもとづいてつくられた劇である。 続きを読む

キリスト教とスピリチュアリティ―― 日本スピリチュアルケア学会基調講演を聴いて

9月6日、日本スピリチュアルケア学会2014年度第7回学術大会にて、副学長の川中仁氏の基調講演と、作家の柳田邦夫氏の記念講演を聴いた。「スピリチュアリティ」という言葉はむずかしいが、人間の本質において大切なものと考えると非常にシンプルで、流行の「スピリチュアル」という言葉が、オーラや言霊、精神世界、占いなど混沌としているのとは明らかに異なる。
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スピリチュアルケアと物語――柳田邦夫氏と傾聴

最近、医療や看護の本に「スピリチュアルケア」という言葉を見かけることが増えた。治す医療とケアの看護が補い合うのは当然として、人間を単に部分の集合ととらえていては済まない状況が増えているためだろうか。たとえば、がんの末期を宣告された人、耐えがたい喪失体験、大切な人の重い病気や障害に苦しむ人には、処方する薬がない。宗教的なものや医療以外の救いを求めるのは、ごく自然なことである。
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錯覚活用法――裏切る「感覚」を逆手に現実を変える

六本木ミッドタウンで、d-labo主催の「錯覚で幸せになる技術」という講座を聴いた(2014.7.29)。講師は、東大情報理工学系でバーチャルリアリティを研究する鳴海拓志 (なるみ たくじ)さん。かけて食べれば、少ない量で満足できる「ダイエットメガネ」などのユニークな研究がある。
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