音 緒 じぶんの ねいろを 文字にする

音 緒
医者の引き出し
総合医療としての漢方――体内で薬をつくる薬

いわゆる不定愁訴に悩む女性は、従来型の西洋医学では心療内科、精神科、更年期外来など、複数の科を受診するしか手立てがない。すると、別々に処方された薬を同時に飲むポリファーマシー(多剤併用)に陥り、必然的に薬の量が増える。大量の薬を飲むことが、症状改善よりむしろ悪化につながることは、よく指摘される事実である。

こども時代の病気の意味と予防接種について アントロポゾフィー医学の観点から

しかし、小林先生はこう言われます。
「最も重要な信頼は、子ども自身の『個』への信頼である」と。
「どんな決定にも負の面が存在します。その否定的な作用とバランスをとり、それとともに生きることができるかということです」
難しいことですが、子どもの「個」の強さと成長を信じ、脅されて不安から行う決定をできるだけ遠ざけることが、親に求められる姿勢なのでしょう。

「科」を超える東洋医学、繋がる医療の輪

私が研修医として最初に属した医局の教授は、「医者は患者さんの心のオアシスであれ」と教えて下さった。三つ子の魂のようにその言葉は胸に刻まれ、患者さんを守れる医者でありたいと思ったものだ。
だが、長い医師生活の中で、私達医療者は患者さんからも守られているのかもしれないと思うにようになってきた。患者が医師を選ぶ判断基準はいろいろだが、長く通院したり、何かあると必ず来院する患者さんとは、価値観が近い者どうしとして繋がりあって、守りあっている感じがする。

死へのスパイラルを経験して(1) ――自らに統合医療を用いて回復

「季節外れのインフルエンザかもしれない。とりあえずクリニックに出勤しよう」
クリニック到着後、看護師に症状を話し、採血を依頼しました。後に知った結果は、CRP 0.34 WBC 8,000。ほとんど問題にならない程度のデータです。中国医学の古典『傷寒論』に記載されている漢方薬を、ふだんの倍量のみました。ところが、症状は治まるどころか、悪寒戦慄はますます強くなっていきました。

引き出しの多い医者がおもしろい

もしも、専門に埋没せず、総合的に人のからだをみる能力があり、ワンパターンでない診療をしてくれ、人の気持ちもよくわかり、話もわかる、という医者がどんどん増えてきたら、どんなに嬉しいことでしょうか。大多数の医療のプロは、医師も看護師も激務をこなし、誠実に患者に向き合っています。医者自身による医学批判、医療批判も読み物としては興味深いのですが、どの程度患者のためになっているかは疑問です。